病気になったあと、私は長い間こう考えていました。
「元の人生に戻りたい」
病気になる前の自分。
健康だった頃の自分。
将来に希望を持っていた頃の自分。
そうした過去ばかり見ていました。
しかし振り返ると、その考え方が自分を苦しめていた部分もあったように思います。
今回は、障害者として生きる中で感じた「元に戻ろうとする苦しさ」について書いてみます。
病気になる前の自分を基準にしていた
精神疾患になると、多くのものを失うことがあります。
仕事。
収入。
体力。
集中力。
自信。
私も例外ではありませんでした。
だからこそ、
「以前の状態に戻らなければ」
と思っていました。
しかし問題は、その基準が過去にあることでした。
過去の自分と比較すると、今の自分はどうしても劣って見えます。
比較対象が過去の自分になる
よく他人と比較するなと言われます。
しかし実際には、他人より過去の自分との比較の方が苦しいことがあります。
昔はもっと働けた。
昔はもっと勉強できた。
昔はもっと元気だった。
そんな記憶があるからです。
過去の自分は理想化されやすく、現在の自分は厳しく評価されがちです。
その結果、何をしても満足できなくなります。
完全な復活を目指すほど苦しくなる
私は以前、
「病気になる前の状態に戻る」
ことを目標にしていました。
しかし現実には難しい部分もあります。
年齢も変わります。
環境も変わります。
病気の影響もあります。
昔と全く同じ状態を目指すと、達成できない可能性があります。
すると、
「まだ足りない」
「もっと頑張らなければ」
となり、苦しくなります。
今の条件で考える方が現実的だった
ある時から考え方を変えました。
過去ではなく、
「今の条件で何ができるか」
を考えるようにしたのです。
体力は昔より少ない。
収入も少ない。
できないこともある。
それでも今できることはあります。
ブログを書く。
知識を学ぶ。
生活を整える。
そうしたことに意識を向けるようになりました。
障害者の生存戦略は再スタートに近い
病気になる前の人生を取り戻すというより、
新しい条件で人生を組み立て直す。
今はその感覚に近いです。
もちろん簡単なことではありません。
それでも「元に戻る」ことだけを目標にするより現実的でした。
過去を追いかけ続けるより、今から作る方が前に進みやすかったのです。
まとめ|元に戻るより今から作る
障害を抱えると、
「以前の自分に戻りたい」
と思うことがあります。
私も長い間そう考えていました。
しかし人生は必ずしも元に戻るものではありません。
だからといって終わりでもありません。
今の条件でできることを探し、
今の条件で生活を組み立てていく。
それも一つの生き方です。
障害者の生存戦略は、失ったものだけを見ることではありません。
残っているものや、これから作れるものに目を向けることでもあるのだと思います。


コメント